2011年1~3月の思うこと

3月11日に東北関東大震災が発生してまだ復旧のメドもたっていない状況ですが、最近格闘技関連のニュースを見て思ったこと。

まずはStrike Forceでのヒョードルの二度目の完敗。
コンスタントに実戦を重ねることができなかった事でヒョードルの実力の衰退を挙げる人は多いです。
ヒョードルの連勝は止まりましたが、彼の気持ち次第ではまだやれる可能性があるのもまた事実。
それよりもようやくヒョードルらに勝てる選手が現れたことの方が喜ばしいと思います。
UFCのケイン・ヴェラスケスしかり。
2000年代前半のトップ選手にとって替わる選手が現れてきた事にワクワクします。

次。

SRCのスポンサーからドンキホーテが撤退し、いよいよ解散の流れ。
このニュース自体は残念ですが、国内のメジャー団体がひとつになることで国内の垣根が消えてくれることを望みます。
今までは日本人同士での試合でさえ団体契約が障害になて組めないカードがありました。

今後はDREAMがパンクラスや修斗などと柔軟に対応して選手のマッチメイクをしてもらえれば。
しかしまあ、そのDREAMも息絶え絶えですのでどうなるかはわかりませんが…。

次。

UFCのStrike Force買収。
ついに、という感じもありますが。
MMA界界トップだったUFCがライバル団体であったStrike Forceを買収したことで独走状態に。
MMA業界は全世界を含めてUFC以外はマイナー団体になったといっても過言ではないでしょう。
あ、もともと他はマイナー団体ですか;

Strike Forceはshowtimeのテレビ放送契約が後2年ほど残っているのでその間はStrike Forceブランドを残すと
UFCは言いますが、恐らくその後はすべてUFCブランドに統一され、PRIDEと同じように姿を消すのでしょう。
そして同じように実力のある選手のみが生き残ると。

うーむ。海外の話ばかりでMMAが遠くなる一方です。
せめてK-1は地上波で放送してほしいものですが、はたして今年はどうなることやら。

そういえばWECもUFCに吸収合併したんでしたね。
まさに独占。
UFCが目指すのはやはりMMA=UFCという価値観でしょう。

【感想】Dynamite!!2010(2)

前回に引き続きテレビで放送された試合だけ。

古木克明vs.アンディ・オロゴン

元プロ野球選手である古木のデビュー戦との事ですが、打撃力が決定的に違かったかなと。
当然といえば当然ですが、クリーンヒット数が全然アンディの方が上でしたね。

古木は打撃ができないながらも前に出てプレッシャーをかけて何度かテイクダウンを取りましたが、
そこからはやはり経験不足という事で段取りが悪く極めきれず。
しかし身体能力は常人に比べれば高く、戦えないながらも戦い抜いたといった感じでしょうか。

面白かったとは言えませんが、つまらなかったとも言い切れない、そんな素人に近い同士のいい勝負。

石井慧vs.ジェロム・レ・バンナ

殴れないバンナに極めれない石井の典型的泥仕合。
バンナは序盤にクリーンヒットを当てれなければ勝ち目なしとは踏んでいましたが、
後半バテたバンナに対して石井があそこまで極めきれないとは思いませんでした。

ん~なんか理由はハッキリわからないけれど、つまらん試合だったなという印象しか湧き出てこない。

ミノワマンvs.泉浩

こちらは最終ラウンドのダイジェスト放送でしたが、なんだか泉は華がないですね。
ミノワマンが負けてしまったことが残念だったという前提もありますが、なんだか盛り上がりません。

ビビアーノ・フェルナンデスvs.高谷裕之

DREAMフェザー級タイトルマッチのこの試合。
ビビアーノはテイクダウンを数回奪いはするものの、そこからはなにもできずに高谷に立ち上がられる展開。
その事からその数度のテイクダウンは有効とはみなされていなかったと思われます。
でないと後半の高谷のラッシュだけでポイントを奪ったとは考えづらい。

中盤まではお互い動きも固く、大きな展開も結局は無かったのですが、
最終ラウンドにビビアーノが引き込んだ所で高谷のラッシュが始まり、
そこの印象点で試合は決まったようなものか。

個人的にはビビアーノのドロー防衛かな、とも思いましたがビビアーノのテイクダウンが
ポイントになっていなかったとすると最後のパウンドや細かなローを当てていた
高谷勝利もうなずけます。

残りの試合はダイジェスト放送。

印象に残ったのは桜庭の耳ベローン状態くらいでしょうか。
あとウィッキーはK-1ルールでもノーガードかよってツッコミたい事かw

今大会のMVPは文句なしに自演乙。
自演乙の勝利だけがスカっとする内容だった。
逆に青木が勝っていたら今回のDynamiteは私にとって最もつまらなかった興行ワースト3に
ランクインしていたでしょう。

勝負論的に語ることはほとんど無い今大会で実は川尻がジョシュ・トムソンに勝っていたという事実。
先につながる線ができたという意味でこの結果は大いに評価したいところです。
私も見てみたい川尻vs.メレンデスの再戦。

今回は予想していなかったので予想点はなし。
満足度は2/10
厳しいですか?
でもこの大会を面白かったと言える人は少ないと思っています。(私見)

終わり

【感想】Dynamite!!2010(1)

今更ですが、年末に録画したDynamiteを「ちゃんと」見ました。

いつもなら予想もしていたのですが、今年はなんだか予想するのがアホらしいカードが多かったので
スルーしてしまいました。

テレビの放送順に軽く思ったことを。

アリスター・オーフレイムvs.トッド・ダフィー

全米最速の秒殺マシンが秒殺されてしまいました。
アリスター相手なのでUFCの中堅クラスが敵うわけはないと思って見ていましたが、完全にかませ犬状態。

負けたダフィーもアリスターの圧倒的な打撃にしょうがないとでも思ったのでしょうか、
負けた後もやけにさっぱりとした感じでアメリカから日本にほんの数秒の出稼ぎにでもきたかのような印象。
負けた悔しさが微塵も見られないと、なんだかお金さえもらえればいいのかと勘ぐりたくなります。

青木真也vs.長島☆自演乙☆雄一郎

この試合は本当に意味不明で2chなどでも話題になりましたが、そのあたりの事はもうどうでもいいでしょう。

見ていて感じたことはこの試合はK-1とMMAのミックスルールと説明はあるものの、
クリンチからの膝蹴りいいの?とか
足タックル見たいな形から組み付いていいの?とか
K-1ルールなのにオープンフィンガーグローブなの?とかの疑問。

割と格闘技を見ている私でさえ最終的にルールの詳細はわかりませんでした。
一ついえるのはK-1、MMAのラウンドの順番以外は相当に青木有利のルールだったということ。

結果的に長島がKO勝利したことで私的にはスカっとする試合になりましたが、
もし1Rであそこまで逃げに徹した青木が勝ってしまったらと思うと気持ち悪くなります。

勝敗に徹するのは青木からしてみれば選手として当然という主張も、
客観的に見てその試合に金を払う価値あるの?と問いたい。
それで胸を張って「はい」と言える人はもうMMA見なくていいから
柔術とかアマレスの大会見てください、と言いたい。

たしかリングスでマリオ・スペーヒーだったでしょうか。
しゃがんでいる相手への打撃が禁止だからといってパンチの距離でヒザ立ちになり、
相手に組み付いて倒すという行為を思い出しました。

ルールでよければいいってもんじゃないでしょ。
勝負にもマナーがあるでしょ。
技のかけ逃げはチキンですよ、まったく。

自演乙には今回の大会のMVPを贈りたいですが、この近年まれに見る噛み合わないカードを提供した
TBSかFEGの企画者には「なめてるやつで賞」を贈りたい。

所英男vs.渡辺一久

こちらも噛み合わないカードといえば噛み合わないカードですが、
長島と青木の試合と違うところはお互い非常にアグレッシヴだというところ。
(長島はアグレッシヴでしたけど)

結果的には所が自分のフィールドであるグラウンドで有利に試合を進め一本勝ちしましたが、
脅威の身体能力で所の技を返すなど渡辺が負けて名を上げるような内容でした。

60kg近辺で同体重の人間をバスターできる人間は周りにもいますが、
彼はレスラーではなくボクサーであの怪力ですからね…。
渡辺はプロの戦績はあまりよくないですが、内容が観客を惹きつける内容で、
私もまた彼の試合を見たいと思いました。

K-1出場選手で渡辺と打ち合えるだけの技量を持つ選手はいないのか…。
ローで完封するのではなく、ある程度パンチで打ち合える選手の出現を望む。

もちろん所にも期待しています。
これからはバンタム(~61kg)でやるんでしょうか?
もしバンタム級の王者決定トーナメントがあるのだとしたら優勝して欲しい選手の一人です。

負けっぱなしという共通点で柴田にも期待しています。
内容に。(この話題に関係ない)

京太郎vs.ゲガール・ムサシ

京太郎は負けたくないMMA選手に負けてしまいましたが、やはり焦りすぎたのでしょうか。

ボクシングの、特にディフェンステクニックが際立って上手く見えたムサシ相手に
中盤から打ち合いに行ったのが裏目に出てしまった内容でしたが、
全体の動きはそこまで悪くはありませんでした。
京太郎のローはムサシに明らかなダメージがありましたし、
逆にムサシがワンチャンスをものにした、という内容でしょうか。

それだけムサシが勝負強いということはもちろん認めています。

目立ったのが両者がスウェーバックで攻撃をかわすときの腕の位置。
ムサシがきちんと両腕を構えてバックするのに対して京太郎はノーガードでバック。
パンチの被弾率は変わってくるはずです…。

K-1に本格参戦する意思のないムサシにリベンジするチャンスは
京太郎や他のK-1選手に今後訪れることはあるのでしょうか?
K-1選手がMMAに乗り込んでいくしかストーリーは続かなそうなだけに、
現実味が無く、対ムサシ戦はこれで終了の予感です。

続く

【感想】K-1 WORLD GP 2010 FINAL(2)準決勝+決勝

間が空きすぎていますが先日の感想の続き。

トーナメント準決勝
○ピーター・アーツvs.セーム・シュルト×
予想:×

この試合が自分の予想外。
まさかアーツが再びシュルトに勝つとは。

以前にアーツがシュルトに勝った時に用いた戦法。
とにかく前に出て仕掛け、シュルトの間合いとペースで試合をさせないといったもの。
今回も基本的にはそれだったのですが、プレッシャーのかけ方が以前よる強烈で、
1Rではシュルトも反撃するシーンもあったのですが、試合が進むにつれシュルトは徐々に後退。
最終的にはシュルトの方が手が出ないような状態になっていました。

ダメージ的に有効だったものは少ないですが、手数やアグレッシブさでアーツの判定勝利。
プレッシャーの合間合間にローなどを細かく当て、3Rには顔面にパンチもまとめていましたが、
ダメージとなると微妙なところでしょうか。

3Rのややビビっているシュルトを見ているとちょっとかわいそうな気もしましたが、
それだけアーツのプレッシャーのかけ方が半端なかったということなのでしょう。

決勝戦のことなど眼中になく、シュルトに勝つために全力を尽くした試合内容。
格闘技の心技体のうち「心」の部分を見せ付けたようなアーツの試合っぷり。
これに感動した人は多かったのではないでしょうか。
私も感動しました。

40歳にもなったおっさんがこれだけのことをやれるのに俺は一体なにやってんだ!
って思うほどでした(苦笑)

この試合を見ただけで今回のK-1を見てよかったと思いました。
さすがアーツ。
ミスターK-1。
まだ彼の試合が見たい。

トーナメント準決勝
×グーカン・サキvs.アリスター・オーフレイム○
予想:○

互いに判定勝利で上がってきたもののサキの方が延長戦もあり、
ローの打ち合いで削られた体力は大きい状態でスタート。

やはり満身創痍だったのか、ギタとの戦いを凌いだその心も
アリスターの強烈なミドルでへし折られあえなく完敗。

腕の脱臼も併発していたらしく、心が折られるのも仕方なしか。

トーナメント決勝
×セーム・シュルトvs.アリスター・オーフレイム○
×ピーター・アーツvs.アリスター・オーフレイム○
予想:×

健全な世代交替を願うならば応援するのはアリスターなのですが、
古くからK-1を見続けているせいか準決勝の頑張りを見てしまったせいもありアーツに情が。

しかし、入場シーンからしてアーツはすでにほぼ戦闘不能状態。
試合内容に関しては文句のいえないアリスターの完勝。
シュルト戦で残ったアーツの微かな魂の残り火をアリスターがかき消すが如く刈り取る結末。
これがワンデイトーナメントの残酷さ、過酷さ。
同じように勝ち上がってきたアリスターも条件は同じですが、
この世にシュルト→アリスターの連戦を勝てるファイターは皆無でしょう…。

アーツを応援してしまった私としては現実を見せ付けられた結末でした。
アーツvs.シュルトが決勝であの終わり方だったらどれだけ感動的だったことか…とも思いましたが、
アリスターのような新世代のファイターが前に出てきてこそ格闘技。
この結末が正しいのでしょう。

シュルトの5回目の制覇は阻止され、アーツの10何年ぶりかの優勝も阻止し、
K-1のその年に売り出された選手は優勝できないというジンクスを覆してまで優勝したアリスター。
できれば来年も継続参戦を望みます。
そうすることでスポーンやギタ、サキなどの技術やスピードよりの選手がパワーを兼ね備えて帰ってくるかもしれません。

まさしくアリスターいわく「俺がK-1のレベルを上げた」。
その通りでございます…。

あとはテレビで放送しなかった試合の予想の当たり外れだけ。

リザーブファイト
○エヴェルトン・テイシェイラvs.エロール・ジマーマン×
予想:× 判定3-0

ジマーマン連敗になってしまいました。

ワンマッチ
○セルゲイ・ハリトーノフvs.シング“心”ジャディブ×
予想:× 1RKO

ハリトーノフはK-1に順応できていないようですね…。
それか私がジャディブを過小評価しすぎてしまったでしょうか。
といってもベスト16の実力があるんですよね、ジャディブは。

ワンマッチ(藤本祐介引退試合)
○ヘスディ・カラケスvs.藤本祐介×
予想:○ 1RKO

藤本は見事に玉砕。

今回の的中率は6/10
まあまあ。

満足度は8/10
かなり楽しめました。
判定はやや多かったですが割りとテンポよく見れた気がします。
これはフジテレビがあくまでトーナメントということを押し出して他の試合をカットしたからかもしれません。
あとは多くの人が望んでいたシュルト以外の王者の誕生。
これも大きいかなと。

新世代の選手の実力が上がってきていることも確認できて前向きな結末だと思いました。
来年も楽しみです。K-1ヘビー級。

終わり。

【感想】K-1 WORLD GP 2010 FINAL(1)準々決勝

K-1決勝戦が終わって数日。
ダイナマイトのカードもいくつか発表され、年の瀬が迫ってきた感があります。
ダイナマイトの予想をする前にまずはK-1決勝戦の感想をカキカキ。

トーナメント準々決勝
×マイティ・モーvs.ピーター・アーツ○
予想:○

アーツの予想以上のコンディション。
左ミドルやローでモーの一発を見切れる距離を常にキープし、
磐石のKO勝利。
モーは何もできなかったといっても過言ではない内容。
アーツの完勝。
すばらしいです。

京太郎に負けた時からすれば信じられないほどのグッドコンディション。
あの減量失敗した体つきからよくここまで戻ってこれたなと。
40歳とは思えない…。

トーナメント準々決勝
○セーム・シュルトvs.京太郎×
予想:○

京太郎は予想していたものとほぼ同様の戦法をとりましたが、
スピードが予想以上にあったのと、攻めるときの思いっきりのよさが
思った以上にシュルトをひるませたように思います。

やはりそれだけでは勝つには不十分で、有効打を多く当てたシュルトの判定勝利。
しかし思った以上に京太郎は頑張ったと思います。
判定に影響するほどではありませんが、ローも効いていたようですし。
京太郎の体格からすればあの戦法の中から一瞬のスキをついて有効打を当てるくらいしか
想像力の乏しい私では戦法が思いつきません。

もっと鈍重なビヨン・ブレギーとかになら勝てた内容ではないでしょうか。

トーナメント準々決勝
○グーカン・サキvs.ダニエル・ギタ×
予想:○

勝敗予想自体は当たりましたが内容は予想以上に大接戦。
どちらが勝ってもおかしくない内容でしたが、延長ラウンドは手数とスピードで
若干印象点のよいサキに軍杯が。

実力が拮抗したが故の判定決着。
延長戦。
削り合い。
見応えありの試合でした。

思うに体格が日本人と大して変わらないサキのファイトスタイルこそ日本人が目指す
ファイトスタイルの理想型なのではないでしょうか?
と個人的に思ってみました。

トーナメント準々決勝
○アリスター・オーフレイムvs.タイロン・スポーン×
予想:○

1Rはまさかのスポーン優勢。
早期決着しようとするアリスターが強引に攻めたところをスポーンがカウンターで一気に攻勢に。
アリスターはあわやというところまで追い詰められましたが、
そこで冷静になったのか2R以降は一発狙いの大振りは控え目になり、
細かいジャブやストレートが多く見られるように。
カウンターを狙っているスポーンからすればやり辛い展開になり、
ガードの上からでも吹っ飛ばすほどのフックを放つアリスターのパワーに徐々に押される形に。

最終的にはアリスターが2.3Rを奪い返し逆転勝利。
しかしこの日、もっともアリスターを苦しめたのはスポーンなのは間違いないでしょう。
パワー差で屈したスポーンでしたが、動きのキレとセンスはアリスター以上。
ホーストのようにスピードを落とさず体重とパワーをもう一ランク上まで上げれれば、
アリスターやシュルトを食える存在になれるかもしれません。

戦前はスポーンの圧倒的不利を語っていましたが、目から鱗が落ちた気分です。
この試合はアリスターの油断を責めるのではなくスポーンの善戦に素直に拍手。

続く