さて、今更な感がしますが、昨年大晦日の格闘技イベントで話題になった
桜庭VS秋山の騒動。
一般メディア(テレビ、新聞、雑誌)などではすぐには取りざたされなかった
ものですが、インターネット上では凄いことになっていました。
(桜庭VS秋山戦のメインレフェリーだった梅木レフェリーのブログが
炎上、閉鎖)
私自身も思うことがありましたが、第三者でしかないので憶測以上のことが
いえないため静観していました。
で、公式会見も行われたんですけども、ネット上で見る限り、受け入らざるを
得ないけれども納得できない、という方が非常に多いようで。
というか興行を存続させなくてはならない建前上、秋山の非をある程度
認めることで場を沈めるという意図と取ってしまうようなもので。
ここから私の個人的な感想を書いていきますが、あくまで個人的な感想であって
真実ではないので勘違いなさらぬようご注意を。
1
最終的に秋山が保湿用クリームを塗っていたことを認めたわけですが、これが
故意ではなく過失だったという主張が通ったわけですが。
多くの格闘技経験者の方々が仰っていますが、打撃系の試合であれば顔に
ワセリンを塗るのは普通のことなのですが、組技がある競技ではなんであろうと
身体には一切の塗付物を使用するのは禁止というのが常識。
それをプロのリングで「知らなかった」とは。
例えば相撲でそんな滑るものを塗っていたらどうなるか、柔道で、柔術で、
レスリングで。
組み付きが成立しなくなるとは考えないのでしょうか。
これは知らなかったですむ問題ではないと思っています。
”バッドで人を殴ったら死んでしまった。
そんなに威力があるとは思わなかった。”
そんなものと同LVのはなし。
2
実際にTV中継を見ていた人ならわかりますが、入場から試合終了までの
一連の流れを見ていてもなんとなく不自然なのがわかると思います。
まず、柔道着を着て入場した後のボディチェックがない。
まあ、ここはたとえチェックがあったとしても見抜くのは難しいとは思いますが。
(使用されていたものはサラサラ感のあるもので、汗や水分が含まれると
急激にヌルヌル感が増すものらしい)
↓
タックルに行った後の桜庭の様子が何かおかしい。
↓
特に抵抗することなく桜庭がガードポジションから殴られ続けた。
(TVの放送では聞き取れないが、レフェリーに対して滑ると猛抗議していた)
↓
試合終了後、握手もせず、健闘を称えあうこともせずに柔道着を着る秋山。
(試合前はリスペクトしているような発言をしていたのに「なぜ?」)
↓
文句を言う桜庭。
「すごいすべるって!」
この流れが公式発表以前ではこの問題を限りなく黒に近いグレーと
思い込んでしまう原因だったわけですが。
実際黒でしたし。
格闘技に詳しくない人で普通の終わり方ではないと感じたのでは
ないでしょうか?
まあ、プロレスでは遺恨勃発みたいな感じでこうゆうのもありますが。
3
正直試合前は秋山は桜庭に勝つと思っていました。
(スミルノヴァス戦でボコボコにされた桜庭に対し、秋山は打撃で勝ち、
柔道着を使用したとはいえマヌーフすら退けた)
まっとうな試合が成立していたらの話ですが。
しかし、試合内容は不自然なタックルの抜け方をする秋山。
私はTVを見ていて「え?」と思いました。
普通タックルを切るときは足を後方に引いて上半身を相手の上にかぶせて
押しつぶすものですが、秋山がしたのはつかまれた足を上に引っこ抜くという
前代未聞の荒業。
ノゲイラのスピニングチョークを見た時くらいの衝撃。
こんなことできるの?みたいな。
で、レスリングベースの桜庭はそこから活路を見出すつもりだったのでしょうが、
不自然な感覚に試合の中断を要求するも通らずそのまま試合終了。
まあ、悪いのは秋山ですけど、桜庭も試合の中断を要求するタイミングが
悪かったのは認めていることで。
ネットでは梅木レフェリーが悪く言われていますけど、5秒も10秒も間が
あったならともかく、1、2秒のわずかな時間があったからといってそこで
試合を中断することはできなかったと思います。
前例がなかったことだけに対処のしようがない。
あれこれと考えているうちに試合は動いてしまった。
そんな感じです。
ファンの心理としては理解できなくもないですがヒートアップしすぎ。
ちなみに格闘技界がこの問題に対して沈黙を保っている間、
パンクラスグラバカの菊田選手がブログで意味のある発言をし、反響を
呼んでいます。
1月1~16の日記を是非。
相手が身体になにかしら滑るものを塗っていた場合、タックルベースの選手が
なすすべがなくなるというのが理解できると思います。
菊田の記事を見ると桜庭の無念さが痛いほどよく理解できる。
4
私を含めて多くの格闘技ファンの人が思うことは、
「勝てばいいってもんじゃない」ということ。
実際には勝ち負け以前の問題でしたが。
格闘技を競技として成立させて欲しいということ。
いくらバーリトゥード(なんでもあり)といってもそれは定めてあるルールが
これまでの格闘技に比べてなんでもありのように見えているだけで、武器とか
そういうのを使ってしまったらそれはもはや競技ではなくただのケンカ。
見るものにはなんの感動も与えることはできません。
今回はそのケンカというか公開リンチショーみたいになってしまった。
競技が成立しない反則を秋山が犯した。
感動どころか不快感を感じてしまった。
いろいろ書きましたが、要するに私は今回の件で
秋山を格闘家として、
漢としてもはや認めません。
いや、もともとそんなにプッシュしていた選手ではありませんでしたけども。
噂されていることは他にもまだあります。
グローブに何かしこんでいたとか。
FEGやTBSとグルだとか。
まあ、そのへんは一個人では確かめようのないことですけども。
なんにしてもこの問題を糧にしてその他のまじめな格闘家の方々は最低限の
ルールを守って試合をして欲しいですね。
それは選手自身も望んでいることでしょうけども。
終わり